高橋義郎のブログ

経営品質、バランススコアカード、リスクマネジメント、ISO経営、江戸東京、などについてのコミュニティ型ブログです。

ビジョンとソニーGの復活

もう5年以上前の話になりますが、某ソニーグループの会社で、リスクマネジメントの講演をさせていただいたことがあります。同社の担当マネージャーが筆者のISO31000(リスクマネジメントの国際規格)セミナーを受講され、その後に講演の依頼があったものでし…

桜美林学園の顧問になりました

梅雨を迎える時期となりましたが、皆様におかれましては、お元気でご活躍のことと存じます。 さて、6月から学校法人桜美林学園の理事長の諮問に応じる顧問(事務組織改革(ISO関連)担当)になりましたことをお知らせします。 微力ながら同学園への恩返しの…

日本企業のSATORI考

某歴史小説家の講演録を読んでいたら、ある宗教法人主催の講演会で「悟りの境地に達すると小説が書けなくなるので私は悟らないようにしている」といった主旨の冗談話をして、聴衆の笑いを誘っていたくだりがありました。煩悩ばかりを抱えながら毎日を過ごし…

ESGが変える会計の曖昧さ

会計の視点で企業経営を見ていくと、たとえば管理会計では固定費と変動費に分けるなどの考えが出てきます。ひとつの例を取り上げると、人件費は固定費に分類され、同じ人件費でも外部委託の費用は変動費として扱われることが多くあります。ただ、最近の議論…

パーパスと人的資本経営

経済産業省産業人材課が「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」を設置し、その結果が昨年9月に公表されたそうです。一橋大学の伊藤邦雄氏を座長として、人材版伊藤レポートが作成されたのです。経営陣は企業理念、存在意義(パーパス)や経営戦…

360度評価に見るリーダー像

最近の新聞記事の見出しに「360度評価」という言葉を見つけ、なんだか懐かしい気持ちになりました。その理由は、かつて勤務していた会社で1990年代前半から社員の360度評価を実施していたからでした。たしか、筆者自身も5人くらいの同僚や上司の評価を行い、…

定年退職のご挨拶

いつも大変お世話になりまして、ありがとうございます。さて、私こと髙橋義郎は、昨日3月31日(水)をもちまして、桜美林大学を70歳で定年退職しましたことを報告申し上げます。この8年間、前半は特任教授、後半は専任教授としての在職中、多くの皆様からご…

磨くべきは虫の眼

日経ビジネス誌の記事を読んでいたら、「編集工学」という言葉が目に飛び込んできました。その記事とは、編集工学者である松岡正剛氏の巻頭言談話のことで、彼は編集工学の立場から、情報が経済や社会にもたらす影響を考えてきたといいます。編集工学研究所…

頼朝の存念と経営理念

企業理念という言葉があります。「理念なき企業は滅ぶ」などというタイトルの書籍も出版されていたように記憶していますが、理念、ビジョン、ミッション、方針などという用語が飛び交い、それらの違いは何ですかといった質問は、今でも時折見受けられます。 …

岩波茂雄と教員退職理由

たしか中学生のときだったと記憶していますが、ある先生が「岩波書店(あるいは岩波茂雄だったか)を知っているか」と私たちのクラスで問いかけたことがありました。彼がどのような話をしたのかは覚えていませんが、その後、岩波新書や岩波文庫を読むたびに…

5つの視点で考えるISO9001

バランススコアカード(BSC)のセミナーでよく聞かれる質問のひとつに、「BSCとISOマネジメントシステム(たとえばISO9001)との関係は」とか、「BSCをISO9001の目標管理に使うポイントは」などというものがあります。そこで、今回は上記の質問に答える説明…

毛利元就の領民撫育戦略

もう30年ちかく前のことになりますが、勤務していた会社の用務で、たびたび広島県の三次(みよし)へ行く機会がありました。ときには広島駅からお迎えの車でゆくこともあり、あるいは時間をかけて鉄道でゆったりと北上したことも、いまでは楽しい思い出とな…

中世の環濠商業都市「今井」と時勢を考える

社会人となって就職した会社の工場が新潟県柏崎市にあります。22歳から数年間、その工場に勤務し、その後、東京新橋にあった本社へ転勤しました。その柏崎市の名前が「街道をゆく7」に出てきます。奈良の橿原市にある今井という町について書かれている稿で…

コーチングとバランススコアカード(BSC)

数日前の日本経済新聞の記事「ジョブ型雇用に上司の壁」を読んでいるうちに、もう20年ほど前になるでしょうか、勤務していた会社の管理職研修で、コーチングのワークショップに参加したことを思い出しました。ちょうどその頃、会社の内外でバランススコアカ…

後継者に恵まれた最澄と鎌倉仏教の成立

信州というところは、京都や鎌倉とは違った意味で好感を持てる土地柄です。京の雅や鎌倉の古都の趣ではない何かが魅力を感じさせてくれるのでしょう。日本人が懐かしいと感じる情景や風景が、あちこちに存在するからなのかもしれません。長野で冬季オリンピ…

早すぎた平清盛の日本最初の重商政治

日本で最も古い船泊(ふなどまり)が兵庫県の室津であるといいます。「街道をゆく9」でも、龍野から室津へ出るコースをとっていました。遣唐使は大阪湾を出て瀬戸内海をゆく中で、室津に寄港したらしい。その後、日本史に登場する平清盛は、室津入港の翌年…

安芸門徒とネットワーク戦略

「街道をゆく9」に兵庫県のたつの市(旧:龍野市)が出てきます。かなり以前、出張の折に龍野の街並みや城下の公園を歩いた記憶があり、懐かしくなって読み返しました。「赤とんぼ」の童謡で知られる三木露風は、播州龍野の人です。また、同書では播州門徒…

17世紀のオランダに見る組織運営モデル

オランダに本社を置くフィリップスというグローバル企業の日本支社に、30年近く勤務していました。筆者にとっては、3つの理由で面白い会社でした。一つ目の理由は、様々な国の社員と一緒に仕事ができたことです。おかげで英語も使えるようになり、各国のビ…

日本人の均一化したがる意識

よく聞かれる小話に、沈没する船から各国の人たちが救命ボートに乗り移る話があります。5人定員の救ボートに6人が乗り込むとすれば、誰か一人が海に飛び込まねばなりません。そのとき、納得して海に飛び込むよう仕向けるには、どの国の人に、どのように言え…

7つ目の Decade を通り過ぎて

Decadeという英語があります。改めて調べてみると、10年間とか、10を単位とする1群などと解説されています。私事で恐縮ですが、数日前に7つのDecadeを経た誕生日を迎え、8つ目のDecadeに足を踏み入れました。つまり、70歳になったのです。60歳までは会社勤務…

桜美林大学大学院経営学研究科 / 国際標準化研究センター  第17回ビジネス戦略セミナー(オンライン)開催のご案内

<詳細は、こちらをご覧ください> https://www.obirin.ac.jp/event/year_2020/r11i8i000005xqs6.html <開催要領> 本セミナーは、経営学研究科並びに国際標準化研究センターの活動と国際標準化の重要性を企業関係者および地域社会に広くアピールする目的で…

観光リスクマネジメントをISO31000で考える

筆者が勤務する大学の学群で、2019年度から観光リスクマネジメント論が開講され、翌年の2020年度は筆者が授業を担当しました。授業の開講準備として、観光リスクマネジメントのテーマを冠する先行研究や他大学での開講状況を中心に事前調査を進めてきました…

円空館(岐阜県関市)を訪ねる

岐阜の関市は刃物の生産地として知られている。筆者にとっては、カミソリの刃を製造する産地として記憶されている街だが、その地に用件があって数日滞在し、近くに円空仏を展示している「円空館」があったので、仕事の帰りに立ち寄ってみた。 「円空」という…

岐阜の青空を見ながら県民性を考えてみる

およそ30年ほど前に、岐阜県の郡上八幡を訪ねたことがある。美濃での業務出張を終えた翌日の土曜日のことで、朝から雪が降りしきる中をレールバスで郡上八幡駅に着いた。斎藤美術館に行ってみようと歩き始めたのだが、開館にはまだ早く、近くの喫茶店で時間…

増えた蔵書の整理ルールについて

自宅や大学の研究室に保管してある本の数が、増えてきました。なかなか手放せない本もあることはありますが、そろそろ整理を進めていかねばなるまいと思い、自分なりのルールを決めて、本の維持管理を始めることにしました。 ルールなどというと大袈裟ですが…

日経文庫『全社戦略がわかる』を読んで

グルーバルカンパニーに数十年勤務した筆者には、全社のコーポレート戦略と事業部門の個別戦略の違いを理解しているつもりであったが、同書を読むに及んで、全社戦略の重要性と特質を再認識することができた。それは、全体最適化経営と個別最適化経営との対…

講演・研修のご依頼(連絡先と主な実績更新)

◆講演及び研修講師のご依頼は、下記連絡先までお願い致します。✉ ytakaha@obirin.ac.jp☎ 090-3964-7431 ◆主な領域バランススコアカード、リスクマネジメント、経営品質、ISOマネジメント、経営企画、経営管理、中期経営計画、経営戦略、品質・環境マネジ…

司馬遼太郎『峠(上・中)』を再読して

『峠』を読んだのは、20歳代中ごろのことである。勤務先の社内研修を主宰していた営業部次長が冒頭に「知識という石を、心の炎で熔かせ」と黒板に書き、越後長岡藩の河井継之助のことばであることを紹介した。研修に臨む社員への心構えとして、引用したのだ…

ISO審査員にお薦め『町工場の経営支援』を読んで

この本は、地方銀行、信用金庫、信用組合等の地域金融機関の法人担当者等で町工場などの製造業の経営支援に携わっている人々に向けて、支援の進め方やポイント、事例を紹介する目的で著されたものである。製造業・ベンチャーの経営支援などの会社を経営する…

桜美林大学大学院第15回ビジネス戦略セミナー開催のご案内(無料)

本セミナーは、経営学研究科並びに国際標準化研究センターの活動と国際標準化の重要性を企業関係者および地域社会に広くアピールする目的で定期的に開催しています。このたびは第15回目を迎え、メインテーマとして「(仮)イノベーションと標準化」を取り上…