高橋義郎のブログ

経営品質、バランススコアカード、リスクマネジメント、ISO経営、江戸東京、などについてのコミュニティ型ブログです。

『すごい効率化』を読んで

 経営学や経営コンサルティングに関わっていると、「効率化」という3文字は魅力的である。同書を読み始めたのは、そんな背景からで、すなわち、書名に惹かれた。
 同書は、その執筆者の経験から体得された効率化のノウハウが、副題に書かれているように、最少の時間と労力で最大限の成果を14日間で出すプログラムで構成されている。目次を見てみると、決まった場所と時間を作る、パソコン環境を徹底的に整える、操作・入力をほぼ自動化する、時間を断捨離する、CAPDでまず検証する、頭が良くなる箇条書き記録法、しないことリストを作る、自分だけではなくチームで効率化する、50%で見切り発車する、超効率・情報収集術、超効率・時間管理術、睡眠を極める、食事や運動にこだわる、コミュニケーションを極める、などの14項目である。
 この中で、筆者が興味を持って読んだ目次の項目は、CAPDという考え方である。PDCAで計画を立てることから始めるのは、非常に危険だというのである。その理由は、まだやっていないことは、そもそも有効な計画が立てられないからだという。例えば試験の結果から原因や評価・検証をし、A(改善)をして、もう一回やり直す。なぜ点が低かったのか、不合格だったのかをC(評価・検証)をしてからA(改善)をし、その後にP(計画)とD(実行)をするサイクルをスタートさせるべきというロジックだ。
 もうひとつの項目は、人に何かを頼まれたときは、どんなにいきなりでも、自分の仕事で忙殺されていても、まずは全体の流れが止まるかどうかを見極めて、止まるくらいなら、そちらを優先するという思考が大切としている。言い換えれば、基本的に他人からの仕事を優先的にやるべきと主張している。全体の流れを止めてしまうことは、結果的に非効率だと理解すべきと書いている。
 いずれにしても、意志を強固にし、欲求や行動をコントロールすることが可能となれば、飛躍的な成長を遂げられると著者はいう。思考が変われば行動が変わり、行動が変われば習慣が変わり、習慣が変われば結果が変わり、そして、結果が変われば未来が変わる。14日間のプログラムで、未来が変わるのであろう。

(出所:金川顕教(2017年)『すごい効率化』KADOKAWA)