高橋義郎のブログ

経営品質、バランススコアカード、リスクマネジメント、ISO経営、江戸東京、などについてのコミュニティ型ブログです。

バランススコアカード関連

BSCを見直す(10)ツルハとウエルシアの経営統合に見るBSC的考察

企業や経営の情報に触れると、バランススコアカード(BSC)のフレームワーク(5つの視点の因果関係)でそれらの情報を整理する習慣がついてしまい、その一例を最近掲載された新聞記事を材料にして考えてみました。その記事は「ツルハとウエルシア、経営統合…

BSCを見直す(9)BSCの視点の因果関係で企業分析を!

BSCの4つ(或いは5つ)の視点の因果関係は、企業などの経営情報を整理するときに役立ちます。少しカッコよく言えば「簡単な経営分析」とも言えるもので、筆者は日常的に利用しています。例えば、最近のビジネス誌(日経ビジネス、2024年2月19日号)に紹介さ…

BSCを見直す(8)管理会計のツールとして注目されたBSC

KPI(Key Performance Indicator)の書籍を読んでいたら、BSC(Balanced Scorecard)についての説明がありました。管理会計の著名なツールとして紹介されていたのですが、確かに2000年前後には管理会計の先生方からインタビューや執筆依頼が多くあった覚えが…

BSCを見直す(7)ビジネスフレームワークの一員になったBSC

数年前に出版されたビジネスフレームワークの入門書を買い求めたところ、BSCが戦略策定のフレームワークとして紹介されていました。経営目標を達成するための4つの視点という説明書きがあり、経営戦略を事項するためのマネジメント手法ともあります。財務、…

BSCを見直す(6)戦略マップは戦略共有のコミュニケーションツール

前回の稿で戦略マップについて紹介しましたが、1か月ほど前に、ある知人から戦略マップが役に立ったというメールをもらいました。 そのメールによれば、筆者の『経営は5つの視点の因果関係で考える』に掲載してある戦略アップを参考にして中期開発計画の説…

BSCを見直す(5)BSCの基礎知識を理解する

BSC(バランススコアカード、Balanced Scorecard)と全体最適化経営について述べてきましたが、ここでBSCの基礎知識を整理してみたいと思います。箇条書きにしてみましたので、ご参考になれば幸いです。 ◆ BSCが導入される主な背景 ・達成目標の選択と集中が…

BSCを見直す(4)5つの視点の因果関係と全体最適化経営

筆者が持ち続けてきた研究テーマのひとつに、全体最適化経営があります。具体的には、ビジネスエクセレンスモデル(BEM)を軸として経営のフレームワークを整え、目標管理をバランススコアカード(BSC)で、その実践ツールとしてISOマネジメントシステム(IS…

BSCを見直す(3)5つの視点の因果関係と経営品質向上活動

石坂産業株式会社は既に多くのメディアで報道され、日本経営品質賞受賞企業として著名な企業なのですが、本稿のテーマである「5つの視点の因果関係で読み解く経営品質向上活動の実践例としての切り口で、再度考察してみることにします。 受賞後に発行された…

BSCを見直す(2)BSCと整合性のあるフレームワーク

ビジネスエクセレンスモデルも、同様に5つの視点の因果関係で説明できるフレームワークを持っていると考えられます。例えば、次のような構成を考えてみます。 (1)組織の理念/ビジョン/方針/行動指針/目標/風土/文化などの視点の着目点 組織プロフィール、…

BSCを見直す(1)BSCとの出会い

すこし昔話からはじめたいと思います。筆者がBSC(バランススコアカード)に出会ったのは、1990年代後半のことでした。外資系企業フィリップスの日本支社に勤務していたときに、日本経営品質賞のセミナーに頻繁に参加していた時期がありました。アサヒビール…

書籍を出版しました『経営は5つの視点の因果関係で考える』(論創社)

桜美林学園をはじめ、多くの方々のご支援をいただき、 桜美林大学叢書『経営は5つの視点の因果関係で考える』(論創社) 経営は5つの視点の因果関係で考える | 論創社 を11月に上梓することができました。 ご興味があれば、ご一読願えれば幸いです。

連載「5つの視点の因果関係で導く全体最適経営」 第2回 バランススコアカード(BSC)を、どのようにISO マネジメントシステムへ取り込むか

『月刊アイソス』の連載記事 「5つの視点の因果関係で導く全体最適経営」 連載 第2回 バランススコアカード(BSC)を、どのようにISOマネジメントシステムへ取り込むか を紹介します。 下記のURLから、ご覧ください。 https://r.qrqrq.com/cD4h7jiy

ESGが変える会計の曖昧さ

会計の視点で企業経営を見ていくと、たとえば管理会計では固定費と変動費に分けるなどの考えが出てきます。ひとつの例を取り上げると、人件費は固定費に分類され、同じ人件費でも外部委託の費用は変動費として扱われることが多くあります。ただ、最近の議論…

5つの視点で考えるISO9001

バランススコアカード(BSC)のセミナーでよく聞かれる質問のひとつに、「BSCとISOマネジメントシステム(たとえばISO9001)との関係は」とか、「BSCをISO9001の目標管理に使うポイントは」などというものがあります。そこで、今回は上記の質問に答える説明…

コーチングとバランススコアカード(BSC)

数日前の日本経済新聞の記事「ジョブ型雇用に上司の壁」を読んでいるうちに、もう20年ほど前になるでしょうか、勤務していた会社の管理職研修で、コーチングのワークショップに参加したことを思い出しました。ちょうどその頃、会社の内外でバランススコアカ…

根強い集客力に見る100円ショップのBSC的考察

国内消費の現場で100円ショップの存在感が高まっている。2019年度の店舗の増加数で100円ショップ大手4社の合計(310店)がコンビニエンスストア大手3社の合計(276店)を上回る見通しだ。スーパーなどが中核テナントとして誘致する動きも目立っており、小売…

エレコムの高速開発経営に見るBSC的考察

デジタル周辺機器を主力ビジネスとするエレコムが、関連する30製品のうち13分野でトップシェアを握った。勝率4割を可能にするのは、年4千もの新製品を世に出す高速開発と、メール1本で開発に着手し、不振なら直ぐに生産中止し、製品群の3分の1を毎年捨て…

『経営事例の物語分析』を読む

「企業盛衰のダイナミックスをつかむ」という副題がつけられたこの本は、企業の急成長、持続成長、停滞、衰退、消滅といった企業盛衰ダイナミクスの局面における結果が、なぜ生じたのか、その原因になりそうな諸条件を理論的に解釈しながら、因果関係を探っ…

因果関係と相関関係について考える

かねてより、経営の目標や施策における因果関係というテーマに関心を持ってきた。そのはじまりは、バランススコアカード(BSC)の4つの視点(財務の視点、顧客の視点、プロセスの視点、学習と成長の視点)における相互の因果関係の重要性について着目しはじ…

サービス業としての「ユニクロ」に見るBSC的考察

ユニクロのホームページを見ると、「ユニクロのビジネスモデル」というページがある。R&Dからカスタマー・クリエーション・チームまでのプロセスを順番に解説したもので、製造小売り(SPA)も含まれている。その中で筆者の興味を引いたのは、「匠チーム」…

経営品質の散歩道(13) 『やさしい経営学』に見る理論と実践

日本経済新聞社が編集した『やさしい経営学』という本がある。本棚から取り出して改めてパラパラとめくってみると、300頁近い紙面のあちこちにマーカーやメモをしたためた箇所が見られる。それほどにこの本を読み込んでいるかといえば、実はそうではない。た…

経営品質の散歩道(11) 名探偵の分析に見るBSCの普遍性

経営品質向上活動を行っている組織では、目標展開にバランススコアカード(以下、BSC)を使っているところが多いと聞く。以前からBSCに深く関わってきた筆者においても、BSCは経営品質やISOマネジメントシステムのフレームワークにしっくりと整合することを良…

なぜ中期経営計画に市場・顧客の視点が見えないのか?

やはりB2B型ビジネスの伝統的製造会社では、市場や顧客の視点を考えるのは無理なのかな?、と思いながら、某社の中期経営計画を眺めていたことがある。7月半ばにコメンテーターとして参加した、大手企業の経営企画部門が集まった会合での話だ。その会社…

無形資産価値とバランススコアカード(BSC)の再考

およそ5年ほど前の話しである。東京と大阪の会場でISOマネジメントシステムに関係するプロジェクトの調査結果を、バランススコアカード(以下、BSC)のフレームワークにまとめて報告会で発表したことがあった。 報告会当日はBSCとは言わずに「経営…

神奈川に見る県民性のバランススコアカード的考察

JRの湘南新宿ラインが開通してから、筆者が住んでいる川口から鎌倉が近く感じられるようになった。その理由は、川口駅のひとつ隣駅の赤羽から鎌倉まで直通で行けるようになったからである。実際のところ所要時間の長短は気にならないが、ひと駅先で乗れる…

大阪に見る県民性のバランススコアカード的考察

この数年間、関西のクライアント企業で研修やコンサルティングをする機会が続いている。それらの企業風土や社員について、とくに大阪と東京の企業や文化を比較する話題がよく出るのだが、司馬良太郎がその講演録で「大阪は軟体動物」と述べているように、改…

近江商人を輩出した近江八幡を訪ねて(BSC的考察)

3日間ほど大阪と京都周辺に行く用務があったので、その帰り道に近江八幡に立ち寄ってみた。近江八幡市のホームページによると、同市は滋賀県のほぼ中央にあって琵琶湖の南東に面し、総面積は琵琶湖の約76km2を含めていて、琵琶湖で最大の島である沖島を有し…

岐阜に見る県民性のバランススコアカード(BSC)的考察

来週、久しぶりに岐阜県に行く仕事ができた。そのせいか、以前に書いた「県民性のバランススコア的考察シリーズ:岐阜県の巻」の原稿を読み返してみたくなった。以下は、そのシリーズの再掲である。 およそ20年ほど前に、岐阜県の郡上八幡を訪ねたことがあ…