高橋義郎のブログ

経営品質、バランススコアカード、リスクマネジメント、ISO経営、江戸東京、などについてのコミュニティ型ブログです。

BSCを見直す(7)ビジネスフレームワークの一員になったBSC

 数年前に出版されたビジネスフレームワークの入門書を買い求めたところ、BSCが戦略策定のフレームワークとして紹介されていました。経営目標を達成するための4つの視点という説明書きがあり、経営戦略を事項するためのマネジメント手法ともあります。財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の4つの視点で整理し、4つの視点のつながりを明確にするために戦略マップを紹介しています。いわゆる、単なる売上至上主義ではなく、顧客目線・従業員目線を含んだバランスのよいマネジメントにつながるものとしているのは、我が意を得たように感じました。(出所:『図解でわかるビジネスフレームワーク、いちばん最初に読む本』福島正人・岩崎彰吾、アニモ出版、2020年)

 ちょうどそのころ、JAL(日本航空)の12人のパイロットと客室乗務員が、羽田空港で起きた航空機同士の衝突事故で炎上したJAL機から乗客・乗員を無事脱出させた新聞記事を読みました。その記事を読み進むうちに、この事例でもBSCの4つの視点の因果関係が機能していたのだなと改めて認識したことがありました。記事の詳細は日本経済新聞(2024年2月10日付)に譲るとして、彼らの行動を4つの視点の因果関係にまとめると次のようになるのではないでしょうか。

<財務の視点> ・JALブランドの向上

   ↓↑

<顧客の視点> ・顧客・乗員の無事な脱出、・日頃の訓練の成果の発揮

   ↓↑

<業務プロセスの視点> ・安全・行動のルール・仕組みに基づく業務の実践

   ↓↑

<学習と成長> ・安全・行動のルール・仕組みの構築
        ・それらの訓練による組織・個人の能力向上

 空の安全に立脚した航空会社のPDCAを絶えず磨き続けている姿が見られます。

(以上)