高橋義郎のブログ

経営品質、バランススコアカード、リスクマネジメント、ISO経営、江戸東京、などについてのコミュニティ型ブログです。

BSCを見直す(2)BSCと整合性のあるフレームワーク

ビジネスエクセレンスモデルも、同様に5つの視点の因果関係で説明できるフレームワークを持っていると考えられます。例えば、次のような構成を考えてみます。

(1)組織の理念/ビジョン/方針/行動指針/目標/風土/文化などの視点の着目点

組織プロフィール、戦略の領域に該当するところです。経営品質では、組織が継続的な経営革新(イノベーション)に取り組み、「卓越した経営」を目指しています。そして、戦略の構築も大切な取り組みです。製品やサービス、ビジネスの形態を内向な発想で考えると独自性と卓越性は発揮できず、競争力は生まれません。そこで戦略が必要となるのですが、単に戦略の手法を使うのではなく、組織にとって何が重要で、なぜ必要なのかを戦略的に考えることを推奨しています。

(2)組織能力/個人能力の視点

組織が該当する領域でしょう。経営品質では社員重視を標榜しています、社員1人ひとりを大切にし、社員のやる気と能力を引き出すことが重要で、社員は組織において最も大切な経営資源と位置づけています。なぜなら、顧客価値を創造するためには、社員1人ひとりが顧客の視点にたって仕事を行い、チーム力を発揮することが必要だからです。社員の成長への学習機会をつくり、社員同士の対話による組織の新たな知恵の創造、などを大切にしていると述べられています。

(3)顧客価値創造と提供/業務の質の視点

業務、すなわち5.顧客・市場の理解と6.価値創造のプロセスにあたる領域です。顧客価値を高めるため、他組織との異なる競争軸、独創的な価値提供、長期的な全体最適の経営の重視が大切で、単なる手法の模倣ではなく、経営品質の向上への独自能力形成が望まれています。プロセスは業務プロセスのみならず、創発のためのプロセスでイノベーションを実現していきます。言い換えると、顧客価値の創造や提供に結びついたプロセスが重要としています。

(4)顧客価値/顧客の評価の視点

結果のカテゴリー、とくに7.3の顧客・市場への価値創造プロセスの結果が該当するところです。組織の目的は顧客価値の創造であれば、価値の基準を顧客からの評価に置くことは当然のこととし、顧客から見た価値を重視し、すべての活動が顧客へ価値を創造し提供することにつながっているかを評価し評価されます。売上や利益は顧客への価値提供の結果ですが、5つの視点の因果関係では、次項の組織価値/財務成果の視点に入れることにしました。 むろん、顧客価値創造と提供と同様に、社会的評価も組織は社会を構成する一員であるという考え方で社会からも信頼されなければなりません。組織目的の達成が社会全体の利益にもつながるように考えていくべきと提言されています。

(5)組織価値/財務成果の視点

事業成果で、組織活動、事業活動を通じて得られた財務の結果や組織価値となることは、異存のないところでしょう。

ビジネスエクセレンスモデルのみならず、ISOマネジメントシステムもBSCとの整合性が良いフレームワークと考えられます。

(以上)