高橋義郎のブログ

経営品質、バランススコアカード、リスクマネジメント、ISO経営、江戸東京、などについてのコミュニティ型ブログです。

BSCを見直す(8)管理会計のツールとして注目されたBSC

 KPI(Key Performance Indicator)の書籍を読んでいたら、BSC(Balanced Scorecard)についての説明がありました。管理会計の著名なツールとして紹介されていたのですが、確かに2000年前後には管理会計の先生方からインタビューや執筆依頼が多くあった覚えがあります。前述したような4つの視点についてKPIやKGI(Key Goal Indicator)を設定し、戦略の実行を推進するものと書かれています。戦略マップについても触れ、それぞれのKPIの因果関係も明らかになることや、従業員一人ひとりが自分の役割や貢献が経営の目的を達成することに繋がっているという認識、すなわち当事者意識を持つことができることにおいて副次的なメリットがあることを強調していました。

 同書はKGIをKPIに含めており、組織や個人が目標達成に向かって業務が順調に進んでいるかどうかを確認するための重要な指標としています。KPIの効用としては、物事が可視化されることで管理しやすくなることや、KPIを時系列で見ていくと事前にリスクや問題の発生の兆候に把握することができ必要な手を打つことができるといったことでしょう。いわゆる、PDCAサイクルを回してKPIを戦略目標に落とし込むことになります。ちなみに、どのようなKPIを選ぶかは、組織あるいは個人が何を目指し達成するのかによって、違ってきますので、上司と部下、あるいは当事者同士でよく話し合って納得目標を決めていくことが大切です。納得目標になれば、従業員のモチベーションを高める効果も期待できるはずです。KPIは外部や内部の状況が変化してくれば自ずと変わってくることも留意する必要がありますので、適宜、見直しをする仕組みを作り実践することが不可欠となります。

(参考及び引用)『KPI大全:重要経営指標100の読み方&使い方』グロービス・嶋田毅、東洋経済新報社、2020年)